樹と手をつないで向かった先は高校の頃よく来ていた公園 座るのは指定席のベンチ この緑が多い静かな公園は私たちのお気に入りの場所だった 「そんなに経ってないのに懐かしいな...」 樹が辺りを見回す 「本当だね」 私も懐かしく感じた 「里菜はここ来たりしないのか??」 「しないよ だって―……」 ここは樹と二人でくる場所だから 樹との思い出が詰まったこの場所に私一人でなんてこれないよ..... 「里菜? 俺の話聞いてくれる?」 樹の瞳に私が映った 「うん」 そして私の瞳には樹が映っていた