「ちょ、放して!!」
朝の胸を必死に押すけどびくともしない
それどころかより強く抱きしめられて身動きがとれなかった
朝は「男」なんだ....
「そんなに…あいつがいい?」
朝の切ない声
いつも聞いていた強気な声とは真逆の弱々しい自信のない声
なんだか悪いことをしている気分に陥ってしまう
けど……
「私は樹が好きなの
樹以外...考えられないから」
「あんなに泣かされてもか?」
「うん
樹だからあんなに泣けるんだと思うんだ」
きっと他の人だったらあんなに必死になったり
子供みたいに大泣きできないな
「そっか.....」


