結局どうしたって時間を延ばすことはできなくて 中庭に朝と二人になってしまった 朝が座ったベンチの少し間を空けて私も静かに腰を下ろす その瞬間に気まずい雰囲気はよりいっそう強さを増した気がした 「里菜、この前はごめん」 小さな声でボソッとつぶやいた朝 彼の瞳は私でなく違う方向をまっすぐ見つめていた 「後々考えて、俺ばかなことしたなってちょっと反省してさ 里菜にもいっぱい嫌な思いさせたし.... 本当にごめん」 二回目の「ごめん」は強い強い朝の瞳が向けられて 強く強く私の中に入ってきた