「ねぇねぇまんまるくん」


新しく出来た友達。ぼくはなんだかすごくすごくウキウキしてた。


「きみは、何でまんまるなの?」


大きなまんまるは、ただ静かに見ている。


「きみは、この木よりも高いところに居るの?」


銀色の光は煌々と辺りを照らすばかり。


「浮いてるの?ねぇ、高いところに浮いてるの?」


何を言っても答えてはくれない。


「まんまるくん、まんまるくん。どうしてきみは喋らないの?」



やっぱり、何も答えてはくれない。


「‥種族が違うから?」


新しく出来た友達は、お話ができないみたいで……


「まんまるくん‥」


涙がこぼれそうになった。

でも、友達は友達だよねっ?


「まんまるくん、ぼくたちは友達だっ♪」


丸くなった背筋をピンと伸ばして、首の鈴をリリンと鳴らした。


「えへー。友達♪」


高い高いところで出逢った、高い高いところに居る友達。

お話は出来ないみたいだけど、でも‥


その時

ヒュルンと風が吹いて、白いふわふわがまんまるくんを隠してゆく。


「まんまるくん帰るの?また、明日もここに来る?」


すると、ピカッて光が強くなったんだ。


「うふふ。わかった。じゃぁ、また明日ね♪」



そう言って、今日はバイバイした。



その帰り道。

ピカピカキラキラと光るまんまるくんは、ぼくが家に帰るまで、そっと半分だけ顔を覗かせながら、見守っていてくれたんだ。


真っ黒な友達が、夜になるから帰りなさいって言ってたけど、まんまるくんが帰り道を照らしていてくれたから。

だから、

道はとても明るくて
迷うこともなくって

無事に着いたよ。


ありがとう。