てっぺんに座り、今ぼくが登ってきた木を見下ろす。


「ずいぶん高く登ったなぁ。うふふ」


そしてお待ちかね。
1番高いところからの景色を臨む。


「わぁ‥」


あのね、今まで高いと思っていた屋根や塀なんか、こーんなに低いんだ。

それに、いつもぼくを引こうとするプップーって鳴るやつもこーんなに小さい。


「高いところだぞーっ」


ぼくは嬉しくて嬉しくて、何回もそう叫んだ。
お腹の底から叫ぶのって、気持ちいいよね♪


「はぁー。綺麗だなぁ‥」


屋根の下の灯りがたくさんキラキラしていて、プップーって鳴るやつの光が流れてゆく。


「あれがお星様かなぁ?」


聞いたことがあるんだ。夜になるとキラキラ光り出すやつのこと。



そんなことを考えていた、その時だった。


「うわ眩しっ」


サァーっと風が吹いたと思ったら、夜が急に明るくなった。


「え?え?」


そしてまた、ぼくの体が白く光り始める。


「光ってる光ってるー」


きゃーきゃー飛び跳ねた。そして、ふっと上を見上げるとーー‥


「うわっ!!」


そこには、黄色っぽい銀色の光を放つまんまるが、ぼくのことをジーッと見ていたんだ。