ふわふわ、ふわふわ。

真っ白な光の中。

ふわふわ、くるん。


また飛んでる。



「うーん‥」



くるくるしながら、ぼくは考えていた。



「どうやって‥戻るの?」



ふわふわ、ふわふわ。

ふわふわ、くるん。



その時ーー‥





リンリン。



「え?」



何もない真っ白な光の中で、キレイに響く音。



リンリン。



「鈴の‥音?」



リンリン。



「あっちだ」



それは、ぼくを呼んでいるようで。

ふわふわする身体をうまく動かしながら、音のする方へと飛んでいく。



リンリン。

ーー‥リリン。



「あれ?ぼくの鈴も鳴ってる」



リンリン。‥リリン。



呼応するように鳴り始めたぼくの鈴。

ぼくの鈴の方が、少しだけ音が高いんだ。



リンリン。‥リリン。



『おいで』



声が‥降ってきた。



「だぁれ?」



リンリン。‥リリン。



『こっちだよ』



すると、



「うわぁーーっ」



風にひゅるりと飛ばされた。



リンリン。



響く鈴の音に、ゆっくりと目を開ければーー‥



「あ‥さっきのお花畑」



リンリン。



「おかえり」



左は真っ白な光。
右は色がいっぱいのお花畑。

そのまん中。
ぼくと同じ色の線の上。

まんまるくんが、優しい笑顔を浮かべながら、待っていてくれたんだ。



「まんまるくーん」



まんまるくんの伸ばした手に、ぼくはそっとぼくの手を乗せて、またふわふわと浮き上がった。



「うふふ」

「ふふ。行こう」

「うんっ」