とことことことこ探検中。
もっと高いところはないかな?
塀の上。
赤い屋根の上。
あ、あっちのピンクの屋根の方が高いかな?
毎日、毎日、高いところ探し。
「よーぅ。今日はどこに行くんだい?」
陽気に話す真っ黒なそいつも、ぼくの友達なんだ。
「今日も高いところに行くんだよ」
「お前も好きだねぇ」
ぼくは、ふと‥そいつがクチバシで繕っていた“それ”をじぃーっと凝視した。
「ん?なんだ?」
「ぼくもそれ、欲しい」
「なんで」
「それがあれば、もっともっと高いところへ行けるだろ?」
バサバサと広げて見せてくれたそれは真っ黒で、意外とふかふかしていた。
「あっはっはっははっはっははっーー‥」
急に笑い始めたそいつは、そのふかふかでぼくを撫でる。
「お前には無理だよ」
「なんで?」
「種族が違うからさ」
種族が違う。
それだけで、ぼくにはあのふかふかがないのか。
こんなに、こんなに、
高いところが好きなのに。
「泣くなよ。今度、背中に乗せてやるからさ」
「ほんと?」
「ああ、約束だ」
「今日?」
「今日はダメだ。これから集会だからな」
橙色が滲んできた。
こいつら真っ黒な軍団は、いつもこのくらいの時間になると、夜が来るぞーって知らせてまわるんだ。
「わかった。じゃあ、また今度ね?約束ね?」
するとそいつは、「カァーッ」ってひと鳴きで応えてくれた。
“あぁ、またなー”
そう言ってるんだよ?
もっと高いところはないかな?
塀の上。
赤い屋根の上。
あ、あっちのピンクの屋根の方が高いかな?
毎日、毎日、高いところ探し。
「よーぅ。今日はどこに行くんだい?」
陽気に話す真っ黒なそいつも、ぼくの友達なんだ。
「今日も高いところに行くんだよ」
「お前も好きだねぇ」
ぼくは、ふと‥そいつがクチバシで繕っていた“それ”をじぃーっと凝視した。
「ん?なんだ?」
「ぼくもそれ、欲しい」
「なんで」
「それがあれば、もっともっと高いところへ行けるだろ?」
バサバサと広げて見せてくれたそれは真っ黒で、意外とふかふかしていた。
「あっはっはっははっはっははっーー‥」
急に笑い始めたそいつは、そのふかふかでぼくを撫でる。
「お前には無理だよ」
「なんで?」
「種族が違うからさ」
種族が違う。
それだけで、ぼくにはあのふかふかがないのか。
こんなに、こんなに、
高いところが好きなのに。
「泣くなよ。今度、背中に乗せてやるからさ」
「ほんと?」
「ああ、約束だ」
「今日?」
「今日はダメだ。これから集会だからな」
橙色が滲んできた。
こいつら真っ黒な軍団は、いつもこのくらいの時間になると、夜が来るぞーって知らせてまわるんだ。
「わかった。じゃあ、また今度ね?約束ね?」
するとそいつは、「カァーッ」ってひと鳴きで応えてくれた。
“あぁ、またなー”
そう言ってるんだよ?