右には、ゆらゆらと揺れるお花畑のいろんな色。

左には、真っ白でなにもない空間。


そして真ん中には、ぼくと同じ色をした線が引いてあった。




「ぼくの声?」

「うん」

「いつも届いてた?」

「うん、届いてたよ。ありがとう」



きみは、なんて優しく笑うんだろう。



「キミがね、」

「う?」

「泣いてた‥」

「ぼく?」

「うん」

「いつ?」

「木の上で」



木の‥上?



「高い高い木の上。ボクたちが、いつもお話していた木だよ」



ーー‥木。

高い、ところ‥

‥お話。






『ーー‥ぼくが必ずっ……』






「‥っ!?」



なに?今の‥



「覚えてないの?」



なんだか、胸がチクチクする。






『犯人を……っ』






ーー‥ハンニン?

何の?



「ありがとう。嬉しかったよ」



チクチクした胸のせいで、前が滲んで見えなくなってく。



「泣かないで‥」



ーー‥ぼく、思い出したんだ。