そして、次の夜。


ぼくは、光っていない高い高い木をぴょんぴょんと登り、また‥まんまるくんを待った。


胸がきゅんと苦しくて、溢れそうな涙が零れることのないように、キュッと口をむすんだ。



さわさわとぼくの毛並みを撫でる風は、泣かないでって言っているような気がする。

泣かないよ。

だって、まんまるくんは泣いてないのに、ぼくが泣くだなんて‥。



「う‥ぅっ」



泣いちゃだめ。



「‥っ、く」



泣いちゃだめだってば。

ほら、もうすぐ、いつもの待ち合わせの時間だよ。


ぼくは背中をシャンと伸ばして、首の鈴をリリンと鳴らした。




でも




いくら待っても、まんまるくんは来ない。


下では相変わらず、プップーって鳴りながら流れる星がキラキラしてるのに。

屋根の下の星も、ついたりきえたりしてるのに。


それでも、まんまるくんは来なかった。


向こうの紺色が薄く光り始め、元気なキラキラが出てくる。


まんまるくんはアイツが嫌いなのか、アイツが顔を出してる時は隠れてしまうんだ。



ということは、今日はもう……来ない。


ということは、もう……



「全部‥っ、食べられちゃったんだ」





大きな大きな声で泣いた。


まんまるくん

まんまるくん



せっかくお友達になったのに。

守れなくてごめんね。

犯人、見つけられなくってごめんね。