「おーぅ。今日はどこに行くんだー?」


黒い友達がひゅーんと飛びながら近づいてきた。


「犯人をみつけるんだ」

「あぁん?犯人だぁ?」

「そうだよっ」


ぼくが立ち止まると、黒い友達は少し高いところに着地した。


「お前‥どうした?」


口をキュッと結んだ。
そうしないと、涙が溢れてしまいそうなんだ。


「泣くなよ」


いつも口の悪い友達が、優しい声になる。


「だって‥だって、まんまるくんが‥」


前が滲んで見えなくなったぼくの頭を、黒い友達は、そのふかふかで優しく撫でた。


「犯人‥どんなヤツなんだ?」


ぼくは涙をこらえるのにいっぱいいっぱいで、ただ頭を横に振ることしか出来なかった。


「ほら、乗れ」


ぴょんっと高いところから降りて、くるりと黒い背を向けた。

ぼくは、そのふかふかの間に乗り込む。



高い高いところから、犯人を探す。

上も、下も、横も、ななめも、ぐるぐるぐるぐる見て回った。


そしてまた

紺色の夜がくる。


そしてまた

変わり果てたまんまるくんがやってくるだろう。


まんまるくん‥苦しい?


必ず犯人をみつけるから。

だから、待っててね。




ーー‥まんまるくん。