まんまるくんっ
まんまるくんっ

きーみはどうして
おっきいの~

まんまるくんっ
まんまるくんっ

大きなお空で
ぽーよぽよ~




「ふぅ。そろそろ行くかな」


黒い集団が一斉に夜を告げ始め、よそ行き用のおめかしをした橙色の空を飛んでいく。


「うふふふ」


とことこと歩いていった。初めて出逢った時と同じ、橙色の一本道を。

そして空が紺色になった時、着いたんだ。高い木がたくさんあるところに。


「おぉー」


高い高い木は、今日はちゃんと白く光っていた。


「もう来てるんだねっ」


ひょいっひょいっと足取り軽やかに登ってく。

ウキウキワクワクが止まらなくって、顔がとろけてしまいそうだ。


「まんまるくーん♪」


てっぺんに着くと同時に
まんまるくんを呼んだ。

てっぺんに着くと同時に
上を見たんだ。



するとーー‥


「ーー‥っ!!」


ぼくは声が出なくなった。



なんで?
どうして‥?



さわさわとした風の音がスルリと抜けて、

キラキラとしたきみの光が、ぼくのココロをぎゅぅっと掴んだ。



「どうして‥?」