ーー‥ぃ

ーい!


「おーい!」

「ふぇ?」

「こんなトコで寝てっと、風邪引くぜ?」


まだしょぼしょぼする目をこする。

すると、


「うわぁ。なんでここに居るの?」


真っ黒な友達が目の前に座ってた。


「お前は高いトコにいると思ってな」

「高いとこ、好きだよ」

「だよな。だから、のっそのっそ歩くじいさん達に聞いて来たんだよ」

「あの、ひっくり返る?」

「あ?あぁ。おら、下に降りっぞ。乗れ」


そう言って真っ黒な背を向けた。


「乗って良いの!?」

「あぁ」

「やったぁ♪」

「掴まってろよ?一気に行くからな?」

「はーい」


ぼくはふかふかの背中に乗って、びゅーんと下まで降りた。


「お‥おおおおおっ!!はっやーい♪」


背中から下りて、「ありがとっ」って言った。

すると‥


「あんた!心配してたんだよ?お母さん家で待ってるから、早く帰りなさいな」


もふもふした彼女が待っていてくれたんだ。


「わっ!ご‥ごめん」

「解れば宜しい。ほら、完全に明るくなる前に帰るよ?」

「おぅ、帰ろうぜ。俺、ねみぃし」


上を見れば、真っ黒の端っこは少しだけ、白くなっていた。

水も降ってない。



まんまるくん‥来なかったのかな。


「どーした?」

「う?なんでもない」

「前見て歩かないと、転んじまうよ?」


ねえ、まんまるくん。

まんまるくんは、雨が嫌い?嫌いだから来なかったの?

でもね、雨が終わったら、虹っていうのが見られるんだよっ。

だからおいでよ♪
一緒に見よう?


次の紺色の時には、また会えるかなぁ。