「こんにちは。またお出かけかい?」
もふもふしてる彼女は、今日ももふもふしていた。
「うんっ」
「お。なんだかいつもより上機嫌だねぇ」
「まぁね。それより、なんだか今日は外が暗いね?」
「ん?上を見てごらん」
言われたとおりに見上げれば、昨日まんまるくんを隠していったのとは違う、黒っぽい灰色のふわふわがたくさんいた。
「あれの所為さ」
「あのふわふわは何なの?」
「あれはね、“雲”って言うんだよ」
「雲?」
その雲と呼ばれるふわふわは、もう少しでぼくたちを押しつぶしてしまいそうだ。
「もうすぐ雨が降るねぇ」
「雨?」
「おや。お前は雨は初めてかい?」
ぼくは頭を右に傾げた。
「う‥?雨?」
「雨っつーのはなぁ、」
バサバサと音を立てながら飛んできたのは、真っ黒な友達。
「あ、こんにちは」
「おう!」
陽気に着地して、ぼくと彼女の前に座る。
「あの雲から水が落ちてくんだぜ」
「水!?」
「あぁ。俺なんか飛べなくなるから嫌いなんだよなぁ‥」
水にはぼくも会ったことがある。
ぼくも、あんまり得意じゃないな……。
「そう?私はけっこう好きよ?」
「え!好きなの?何で?」
「そうねぇ。雨が降り終わったら、虹が出るからかしらね?」
「あれは綺麗だよなぁ」
にこやかにそう話してくれる彼女たちだけど、ぼくは虹も知らない。
「ま、そのうち見られんじゃねぇの?」
「ほんと?」
「ふふふ。そうね」
ふたりでぼくの頭を撫でながら、虹について教えてくれたんだ。
雨が降り終わって雲がどいたとき、キラキラ7色に光る橋が出来るんだって。それが虹なんだって。
まるで‥
「まんまるくんみたいだねっ」
綺麗にキラキラ光るまんまるくん。
今日はどんなお話をしようかな?
「「まんまるくん?」」
頭にハテナマークを浮かべながら、顔を見合わせるふたりをすり抜けて、ぼくは待ち合わせの場所へと歩き出す。
昨日は橙だったこの道は、今日はとても灰色で。
もう、すぐにでも
夜が来てしまいそうだった。
もふもふしてる彼女は、今日ももふもふしていた。
「うんっ」
「お。なんだかいつもより上機嫌だねぇ」
「まぁね。それより、なんだか今日は外が暗いね?」
「ん?上を見てごらん」
言われたとおりに見上げれば、昨日まんまるくんを隠していったのとは違う、黒っぽい灰色のふわふわがたくさんいた。
「あれの所為さ」
「あのふわふわは何なの?」
「あれはね、“雲”って言うんだよ」
「雲?」
その雲と呼ばれるふわふわは、もう少しでぼくたちを押しつぶしてしまいそうだ。
「もうすぐ雨が降るねぇ」
「雨?」
「おや。お前は雨は初めてかい?」
ぼくは頭を右に傾げた。
「う‥?雨?」
「雨っつーのはなぁ、」
バサバサと音を立てながら飛んできたのは、真っ黒な友達。
「あ、こんにちは」
「おう!」
陽気に着地して、ぼくと彼女の前に座る。
「あの雲から水が落ちてくんだぜ」
「水!?」
「あぁ。俺なんか飛べなくなるから嫌いなんだよなぁ‥」
水にはぼくも会ったことがある。
ぼくも、あんまり得意じゃないな……。
「そう?私はけっこう好きよ?」
「え!好きなの?何で?」
「そうねぇ。雨が降り終わったら、虹が出るからかしらね?」
「あれは綺麗だよなぁ」
にこやかにそう話してくれる彼女たちだけど、ぼくは虹も知らない。
「ま、そのうち見られんじゃねぇの?」
「ほんと?」
「ふふふ。そうね」
ふたりでぼくの頭を撫でながら、虹について教えてくれたんだ。
雨が降り終わって雲がどいたとき、キラキラ7色に光る橋が出来るんだって。それが虹なんだって。
まるで‥
「まんまるくんみたいだねっ」
綺麗にキラキラ光るまんまるくん。
今日はどんなお話をしようかな?
「「まんまるくん?」」
頭にハテナマークを浮かべながら、顔を見合わせるふたりをすり抜けて、ぼくは待ち合わせの場所へと歩き出す。
昨日は橙だったこの道は、今日はとても灰色で。
もう、すぐにでも
夜が来てしまいそうだった。

