「おはよう……でも遅刻ね」 教室の扉を開いた私を見て、席に付いている……魅麗がクスクスと笑った。 黒に白いラインの入った私と同じ制服を着ている魅麗は、早くしなさいとばかりに小さく手招きをする。 「……はぁ」 大きな溜息を吐き肩をガックリと落としたまま、窓際の一番後ろの席に座る。 すると隣の席に座る瑠愧は私を見て困った様に笑った。 「……残念。先生はご立腹みたいだよ」 そう言って瑠愧はクスクスと笑うと、教卓の前に腕を組んで偉そうに立っている男を指差した。