「いってきま~す!!」 そう元気よく叫び急いで靴を履くと、玄関を飛び出す。 「いってらっしゃい!気を付けて行くんだぞ!!」 二階の窓から父の声が響きそれに答える様に小さく手を上げると、そのままアスファルトの地面を走る。 「ヤバ……結構ギリギリかも」 腕時計で時間を確認し、少し焦る。 夏休みを終え九月に入ったとはいえ、まだ夏の終わらない空には眩しい太陽が燦々と輝いている。 その光に照らされながら小走りで進んで行くと、そこには黒い制服が道を埋めていた。