「……馨……本物の空は……美しいな」 朧源は空を仰ぎ眩しい朝日に目を細め、そう呟く。 「……本当に……美しい」 そう言って朧源は静かに目を閉じると、とても穏やかな微笑みを浮かべた。 「……はい……お兄様」 馨さんはそう言って涙を流しながら笑うと、朧源と同じ様に眩しい朝日を見上げていた。