「……ハァ……ハァ……死ぬかと思った」 火伏さんはそう言ってゼイゼイと呼吸を荒げたまま、コンクリートの地面にドカッと腰を下ろす。 「皇楼に居た人達は先に避難させていましたから……きっと平気でしょう」 彩乃さんはそう言ってニッコリと笑みを浮かべて私を見た。 「よかった……皆は平気?」 そう言って呼吸を荒げている皆を見回す。 「……はい、大丈夫です」 「にゃ!!」 木住野さんのその答えと共に、琥珀の元気のいい返事が返って来る。 その奥に疲れた様に小さく丸まっている少年の姿が見えた。