鬼守の巫女


『……ああ……そこに居たのか』

魏罫のその言葉と共に、私の体から何かが湧き上がる様な不思議な感覚を覚える。

《……永遠とも思える長い時が流れた。そして運命は変わり……私達の役目も終わる》

その囁きと共に、私の目の前に女の姿が現れる。

それは遠き昔の……鬼守の巫女。

『……共に逝こう……柳』

そう言って魏罫は手を差し伸べる。

《……私は自分が間違っていたとは思わない。でも……これだけは言わせてちょうだい》

巫女様はそう言って私を振り返ると、真っ直ぐに私を見つめた。

《……ありがとう……最後の……鬼守の巫女》

巫女様はそう言ってニッコリと笑うと、差し出された魏罫の手をそっと握った。

その瞬間、不思議な光が辺りに漂い……強く目を閉じた。