「……ひ、火伏さん」 「早く顔拭けよ!ビショビショじゃん」 顔から水を滴らせながら茫然と彼を見つめると、彼は慌ててタオルを手にして私に向かって差し出した。 「あ、ありがとうございます」 彼に礼を言ってタオルを受け取ると、そのタオルで顔を拭いた。 「さっき部屋まで迎えに行ったんだけど、いなかったから探してた」 「ご、ごめんなさい」