『……結界を……結界を……守らなくては……』 魏罫の口から擦れた声が漏れる。 『……結界を……この世界を……』 魏罫はブツブツと何かを呟きながら、静かに朧源へと向かって行く。 『……戒律を破りし……愚かな者を……私は……赦さない』 魏罫のその言葉と共に、魏罫の赤い禍々しい瞳が真っ直ぐに朧源を見つめた。 「魏罫止めろ!!俺はもう人間を滅ぼすつもりは無い!!お前が結界を守る必要もないんだ!!」 魏戎のその言葉に魏罫は足を止めると、そっと魏戎を振り返る。