「……一枚、借ります」 誰も居ない洗面所で小さく呟き、タオルを手を伸ばした……その時。 「いくらでもどうぞ……巫女様」 急に男の声が聞こえビクリと身を竦めると、クスクスと笑い声が聞こえた。 そっと洗面所の入口へと視線を移すと、そこには赤いラインの入った黒い制服に身を包んだ少年が立っていた。 勝気な瞳を光らせ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる男。