「……でき……ない」 震える唇から消え入りそうな呟きが漏れ、強く剣を握り締めたままカタカタと体を震わせた。 「……出来ないよ。……私には……出来ない」 そう言ってそっと剣から手を放すと、涙の溢れる瞳で魏戎を見つめた。 その彼の瞳は、私のよく知っている……優しくて悲しい……赤い瞳。 それをただ見つめたまま、ボロボロと涙を流し続ける。