「私が……選ぶんだよね」 そう小さく呟いて朧源を見つめると、朧源はそれに深く頷いて答える。 ……強く、強く剣を握り締める。 美しい宝飾のその剣を握り締めたまま魏戎を見つめると、魏戎は私の考えが分かるかのように……優しい笑みを浮かべた。 「朧源……どうやらお前の思惑通りになりそうだな」 魏戎はそう言って少し自嘲気味に笑うと、それに朧源も同じ様に笑みを返す。 ゆっくりと……魏戎の元へと歩き始める。 一歩、一歩を踏み締める様に、ただ真っ直ぐに彼を見つめて歩き続ける。