「……魏戎」

小さく名を呼ぶと、息を切らした魏戎は顔を上げ、真っ直ぐに私を見つめた。

それと同時に私と魏戎の間に立ちはだかる様に、土室さん、小金井さん、眞水さんが地面に飛び降りて来る。

「準備は出来ております」

後ろから声が聞こえ、静かに振り返ると……そこには馨さんと彩乃さんが神妙な顔をして立っていた。

「分かった」

朧源は魏戎を見つめたまま小さくそう答える。