『……な、何をする積りなのですか?』 驚いた様に目を見開く彼女のその問いに朧源は困った様に笑って首を傾げる。 「この鬼に残された力はもう僅か。このままではいずれ朽ち果て消える事だろう。そうなる前に新たな結界を張り直す」 朧源はそう言って不敵な笑みを浮かべると、鬼の隣にそっと跪く。 『……馬鹿な事を……あの鬼が大人しく結界になるわけが……』 「……なるさ。あの鬼は」 彼女の言葉を遮って朧源はそう呟くと、そっと鬼の胸に刺されている剣に手を伸ばした。