鬼守の巫女


「……私は……私は……」

そう小さく繰り返しながら、カタカタと体を震わせる。

その姿を朧源は暫く見つめていると、それから静かに結界の鬼へと近付いて行く。

そして朧源は五つの石を乗せた手を、鬼の体の上に翳した。

すると描かれている赤い線が、眩い光を放ち出し、辺りの蝋燭の炎が大きく燃え上がった。