鬼守の巫女


「……初代の……巫女か」

朧源が少し驚いた様に声を漏らすと、彼女はそれに答える様に静かに頷いた。

『私は……柳。この結界を守りし……初代鬼守の巫女』

彼女はそう言うと、そっと目を伏せ、床に横たわる男の姿を見つめた。

『この結界は私の創り出したモノ。全てはあの悪しき鬼……魏戎を封じる為に』

彼女はそう言って真っ直ぐに私を見つめた。