鬼守の巫女


「しかしある時、魏戎は人里を襲い始めた」

「……どうして」

「理由は分からない。しかし魏戎は次々に村を焼き払い、人を喰い殺し、そして全てを破壊し尽した。男も女も大人も子供も関係なく……沢山の人間が殺された。それでも魏戎は人を襲う事を止めず、そしてついに、初代の巫女……柳の村すらも焼き尽くしたんだよ」

朧源の語る真実に、声を失う。

……魏戎が……村を襲った?

……それじゃあ……初代の巫女の家族を殺したのも……

そう漠然と思ったその時、辺りが眩い光に包まれる。

そして次の瞬間、目の前に女の人が姿を現した。

白い……私が着ている着物と同じ姿のその女の人は、悲しい瞳を揺らしながら私を見つめている。