「これは初代の巫女……柳様が鬼を封じた際に纏われていたものです」 「……初代の……」 そう小さく呟いて、そっと白い着物に手を触れる。 その瞬間、前に見た悲しく残酷な夢を思い出し……ドクンと心臓が大きく鼓動を打った。 「貴女は知るべきです。そして……決めなくてはならない」 彩乃さんはそう言って手際よく私に着物を着せると、茫然と立ち尽くす私の手を握った。 「貴女が……何を信じるのかを」 彩乃さんがとても真剣な顔をしてそう言うと、次第に辺りが暗い闇に覆われて行く。