「私は日向彩乃(ヒナタ アヤノ)。日向家当主、日向彩乃と申します。以後、お見知り置きを……凪様」 そう言って彼女は深々と頭を下げる。 「よ、よろしく」 そう小さく返事を返すと、彼女はニッコリと太陽の様な笑みを浮かべて笑った。 「何かお困りですか?こんな所に居らっしゃるなんて」 「あ、あの、洗面所を探していて。……あと、お手洗いも」 少し俯きそう答えると、少女は納得した様にコクンと頷いて返した。