「……いいんだ。稔」 そう言って傷だらけの少年は、必死に庇おうとしている少年の肩を掴むと、儚い笑みを浮かべる。 「……昇馬」 肩を掴まれた少年は悲しそうに彼の名を呼ぶと、そのまま切なそうに瞳を揺らし……そして静かにその場から離れて行った。 一人残されたボロボロの少年は剣を握り締めフラフラと立ち上がると、屈強な男達に向かって剣を構える。