「香澄(カスミ)さん!!もう止めて下さい!!」 その叫びと共に、違う少年が姿を現した。 その黒髪の少年は地面に力無く蹲る少年を庇うかの様に女の人の前に立ちはだかると、非難の籠った瞳で女の人を見つめた。 「そこをお退き下さい……稔様。いくら木住野家当主の貴方でも、小金井家の物事に口を挟む権利は無い筈ですが?」 そう言って女の人は嘲笑を浮かべると、冷たい瞳で少年を見つめた。