「私は準備があるのでこれで失礼します。彩乃……この場は頼んだ」 「……はい」 土室さんの言葉に彩乃さんが頷いて返すと、土室さんは足早に部屋を去って行った。 それからしばらく沈黙が続いた。 小金井さんは少し落ち着いたのか、静かに目を閉じたまま寝息を立てている。 しかしやはり容体は思わしくないのか、時折苦しそうに呼吸を荒げた。