「思っていた以上に昇馬の容体が思わしくないので、少しお力をお借り出来ないかと思い……貴女の元へと参りました」 そう言ってもう一度彼は深く頭を下げると、そのまま私の答えを待ち続ける。 「……分かりました」 そう素っ気なく答えると、フラフラと立ち上がり彼の元へと歩いて行く。 その弱々しい私の姿に、土室さんは表情を曇らせると、何も言わないまま歩き始める。