《あの鬼を信じてはだめ》 ……魏戎を……信じてはいけない? ……どうして? ……どうして彼女が魏戎を知っているの? ……どうしてそんな事を言うの? 彼が鬼だから?一族の敵だから? ……どうして?……どうして? 混乱する思考を必死に纏めようとするが、私の頭の中には《どうして》とその言葉だけがいつまでもグルグルと回り続ける。 それと共に言い表せない不安と、とても嫌な予感がする。 ……平気。 ……私は信じてる。 ……皆を……魏戎を信じてる。