「魏戎!!止めなさい!!」 瑠愧を抱き抱えた魅麗がそう叫ぶと、魏戎は足に籠めた力を抜かないままこちらを振り向く。 「こんな奴を生かす理由があるのか?」 魏戎は小さくそう答えると、ニヤリと残酷な笑みを浮かべた。 「昔からそうだ。こいつらは俺の大切なモノを奪って行く。こいつ等は俺達の大事なモノを奪い、そして俺達はこいつ等の大事なモノを奪う。生温い夢を見た所で……所詮こうなる定め。そうは思わないか……魅麗?」 魏戎がそう言って答えを待つかの様に魅麗を見つめた。