鬼守の巫女


「朧源に使われるだけの捨て駒が調子に乗るな。……俺の仲間を傷付けた罪……その命で償って貰おうか」

魏戎はそう言うと蹲る小金井さんの顔面に向かって蹴りを入れる。

魏戎の靴底が小金井さんの額を捉え、小金井さんはその体で抉れたコンクリートを更に抉った。

「……っ……」

魏戎の足を掴み小金井さんはそれを引き剥がそうとするが、それは何の抵抗にもならない。

「……ああァアッ!!」

魏戎が更に足に籠める力を強めると小金井さんの悲鳴の様な叫びと、灰色のコンクリートが砕けてパキパキと何かが軋む音が聞こえる。