鬼守の巫女


「ホントに笑えるよ。一族の最大の敵の鬼が、鬼の最大の敵の巫女を守る。……何故そんな必要が?とっとと喰っちまえばいいだろ?」

小金井さんは困った様に笑うと、首を傾げて瑠愧の答えを待っていた。

「僕達は凪が好きだ。だから凪を守る。それ以外に理由は無いよ。鬼も巫女も関係ない。僕は凪が好きだから守りたい……それだけだ」

瑠愧は真っ直ぐに彼を見つめたままそう言い放つと、微かに笑みを浮かべる。