勢いよく灰色の扉を押し開くと、そこには抜ける様な青い空が広がっていた。 そのまま屋上に飛び出すと、慌てて扉を閉める。 「……ハァ……ハァ」 肩で息をしながらフェンスに近付くと、そっと下の様子を窺う。 この廃ビルの前の道には沢山の車と黒い影が見える。 ……こんなに居るの? その数の多さに驚き、ゴクリと息を呑んだ。 「にゃ~」 私の肩に乗ってる琥珀も、その数の多さに弱々しい声を漏らす。 ……魏戎達は大丈夫だろうか。 そんな事を思ったその時だった。