「数が多い!!このままじゃマズイ!!」
火伏さんのその叫びに、魏戎が私に走り寄って来る。
「一階の出口は塞がれている。今から道を開く。お前はそのまま上の階へ上がれ。何とかする」
魏戎は私の耳元でそう囁くと、そのまま私の横を走り抜けて行った。
その彼に次々に生徒達が襲い掛かるが、魏戎はそれを退け……そして私を振り返る。
「行け!!」
その魏戎の叫びと共に走り出す。
辺りには赤い飛沫が舞い、断続的な金属音と銃撃音が響き、誰かの叫びが聞こえる。
その残酷な光景の中を、全力疾走で階段へと向かって走った。



