「なぁ巫女サマ?アンタ、石が欲しいんだろ?それならココにあるよ……ほら!」 小金井さんはそう言って私に向かって手を差し出す。 差し出された彼の手には、二つの灰色の石が乗っている。 「アンタにあげるから取りにおいでよ?欲しいんでしょ……この石が」 そう言って小金井さんはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。 勿論、《はいそうです》と取りに行けるワケも無く、私は目の前の石を見つめたままグッと唇を噛み締める。