鬼守の巫女


膝を抱えたままそっと手の平を見つめると、微かに手が震えていた。

今でもはっきりと覚えている感触。

彼の胸に剣を突き立てた……その感触が。

ギュッと強く手を握り締め、そっと目を閉じる。

すると何処か遠くで……誰かの囁きが聞こえた様な気がした。