淡い月の光に照らされたまま、男は静かに歩き続ける。 次第に近付く男の姿が鮮明に見え、そしておかしな事に気付く。 男の手が……赤い何かで染まっている。 ……血。 男の手は誰かの血で赤く染まっていた。 急にさっき聞こえた悲鳴を思い出し、途轍もない恐怖に駆られる。 ……この男……ヤバい。 男から逃れる様に一歩後ずさると、男はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。