鬼守の巫女


……やめて。

その私の呟きは届かない。

私の手は剣を高く振り上げ、その震える切先は真っ直ぐに彼の心臓を差している。

……やめて!

そう必死に叫ぶが、私の声が発せられる事は無かった。