「明日、捺さんがこちらにいらっしゃいます。その時にお話ししてみましょう」 「捺さん……って、火伏さん?」 「はい。彼は言葉は少し乱暴ですが、とてもお優しい方です。きっと何とかしてくれると思います」 そう言って彼女は笑うと、そっと私から手を離した。 「ただし、このお話はご内密にお願い致します。色々と問題がありますので」 「……は、はい」 腕で涙を拭ってコクンと頷くと、彼女に向かって精一杯の笑みを作った。 それを見て彼女は同じ様に小さく頷くと、優しく微笑む。