鬼守の巫女


「裏切り者の話に耳を傾けられる程、俺は出来た人間ではないのでね。残念ながらお前と話す事は無い。お前に掛ける情けも無い。分かったのなら潔く、今ここで死ね」

土室さんの冷たいその言葉に、火伏さんは静かに俯くと、それから首を横に振った。

「それは出来ません。俺は自分の信念の為に命を掛けると自分自身に誓った。なので今ここで貴方に殺される訳には行きません」

そう言って火伏さんはニヤリと笑うと、手にした刀を構える。

そして次の瞬間、ガキンと金属を弾く音が聞こえた。