……あれからあの廃ビルで夜まで時間を潰した私達は、二手に分かれて行動を始めた。

魅麗と瑠愧、それから木住野さんは、土室家のビルを守っている生徒達の注意を惹き、撹乱させる為にワザとらしくビルの周りを走り回っている。

その騒ぎの中、生徒達の目を掻い潜り、ビルの入口へと向かって行く。

そこにはやはり黒い生地に茶色のラインの入った制服を着ている生徒達が、緊張した様に表情を強張らせ立っていた。