「居たぞ!!あそこだ!!」 その叫びと共に慌ただしい足音が、目の前の道を通り過ぎて行った。 「……よし、行ったな」 火伏さんはそう言って私達に手招きをする。 隠れていた物陰から彼の元へと小走りで近付くと、そのまま気配を殺しながら薄暗い道を抜けた。 そっと空を見上げると空には薄い雲に覆われた月が見える。