「……凪は?」
そう言って魏戎は私を見つめる。
「本当に行くつもりなの?……冗談……だよね」
引き攣った笑みを浮かべ呟く。
「懸命な判断だと俺は思うよ。食事と水分補給は戦いの必須だ。取れる時に取っておかないとな」
そう言った火伏さんに、皆がウンウンと頷いて見せる。
「でも一族以外の人が歩いてたら……バレちゃうんじゃ……」
「一族の者同士だって顔も知らない人が殆どですよ。その点では顔の知れ渡っている僕や捺さんよりも……彼に行ってもらった方が得策です」
私の言葉を遮って木住野さんはそう言うと、ニッコリと爽やかな笑みを浮かべる。