「俺達は鬼を決して信じない。しかし捺様……貴方の事は誰よりも信頼しています。これは我ら火伏総家の想い。どうぞ……お受け取りください」 彼はそう言うと、ポカンと口を開いたままの火伏さんの手を取り、そっと石を握らせた。 「分かっているのか?俺に手を貸せばお前達も……」 「俺達が朧源様に命じられたのは、本堂に貴方達を通さない事のみ。俺達は誰も裏切ってなどいません」 そう言って少年がニッコリと笑うと、周りの生徒達も同じ様に顔を綻ばせた。